目次
- プロローグ
- 一九七七年四月
- 浪人生活の始まり
- 山崎健
- 西園寺秀隆
- 祥子ママの歳
- ロングヘヤーの真由美さん
- 祥子ママとのデート
- アクシデント
- 三人組の影
- 居酒屋で
- 友情の旗
- 柴田という男
- 模擬試験の結果
- 元日の電話
- 願書提出
- 入試直前の座談会
- 受験当日
- 合格発表
- エピローグ
内容紹介
退社時間をわずかに過ぎたとき、私は会社の玄関ドアノブに手をかけていた。ドアを開けると冷気がコートをすり抜けて入り込んできた。細かい雪がきらきら光りながら降り始めている。十一月にしてはかなり寒い夜だった。車道には渋滞した車のテールランプが点々と続いていた。
妻と二人の子供を東京に残し、池袋支店から札幌支店へ単身赴任して三年。まさか自分がリストラの対象になろうとは夢にも思わなかった。
・・・(本文「プロローグ」より一部抜粋)